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13魔女の誕生

間話 〈彼女〉の別れ(1)

ミーシャの誕生日が近づいてきている。  あとふた月と、少しだ。  仮魔女法に加えられた附則が、先日元老院の認可を得た。来年の一月一日――あとひと月とちょっと――から施行になる。レジナルドの思惑を抜いて考えると、仮魔女法の変更に異を唱える理由...
13魔女の誕生

間話 王太子秘書マルゴットの観察3

マルゴットとミランダは、ギョッとした。レイルナートの目が焦点を失っている。そのまま倒れるのではないかと思った時、マリアラが動いた。壁際のサイドテーブルの上においてあったスケッチブックと木炭をもって戻り、白紙のページを選んでレイルナートの前に...
01仮魔女物語

第一章 仮魔女と友人(1)

夜のうちに天気は回復し、今日は快晴だった。  暖かい。  というよりむしろ、着込みすぎて暑いくらいだ。リン=アリエノールはジャケットを脱ごうかどうしようか、しばし悩んだ。周囲を埋め尽くす雪もじわじわと溶け始めており、さながら春の様相を呈して...
13魔女の誕生

間話 王太子秘書マルゴットの観察2

*  ミランダ=レイエル・マヌエルがマルゴットの家に到着したとき、マルゴットは、マリアラ=ラクエル・マヌエルにケープをかぶせてあれこれ塗りたくり、くるくる巻いている最中だった。  だからミランダはマリアラに飛びつくことができず、ふたりの再会...
13魔女の誕生

間話 王太子秘書マルゴットの観察

トールのお守りから解放され、マルゴットは久しぶりの休暇を満喫していた。 髪を下ろして好きな服を着て、映画を観たり食事をしたり、臨時ボーナスで思うさま散財したり、気に入った行きずりの男性とクラブで踊ったりバーに行ったり。一週間の休暇は瞬く間に...
13魔女の誕生

レイルナート_4

「助けてえ……」  マリアラがかがみ込もうとした時には、デクターがすぐそばに来ていた。あっという間にロープを切った。「おまち、ください」掠れた声がそう言った。シゲタはすでに地面にくずおれていた。せい、せい、と肺が鳴った。呼吸が苦しそうだ。 ...
01仮魔女物語

002_プロローグ(2)

それから、三時間が過ぎた。  ララはまだ来ない。マリアラは本を読んでいたが、一冊読み終えてもまだ連絡がこないことに、さすがに不安になってきた。日は既にとっぷりと暮れ、さっきのマヌエルが溶かした雪も、また元どおり積もり始めている。休憩所に残っ...
01仮魔女物語

001_プロローグ(1)

休憩所は、外から見ても混雑していた。仕方がない。まだ九月の終わりだというのに、真冬のような大吹雪が襲ってきたのだから。  吹雪が来たら、休憩所へ逃げろ。  幼年組の子供たちが学校でたたき込まれることのひとつだ。  でもまさか、孵化した今も、...
13魔女の誕生

レイルナート_3

フランチェスカはようやく我に返った。 身体中に活力が満ちている。  指先の隅々にまで血が通い、潤っているのが感じられた。腹の底に活力の源が生まれていた。この一年というものほとんど増えていなかった体力が、戻り始めている。 とても満ち足りている...
君の上に降る雨が、せめて穏やかなものであるように

08 美緒(4)

「紗子さん、本当に驚かせてすみません。そして、自らの素性を隠して美緒ちゃんに近づいて、ごめんなさい。美緒ちゃんには、私は看護師だと言っていたのですが、本当は違うんです。私は、人工知能です。松岡啓輔さんが生前に買った……」  ケイスケさんは必...
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