01仮魔女物語

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01仮魔女物語

仮魔女と狩人(7)

*  あの狩人が、リンを羽交い締めにしている。  それを見た瞬間、マリアラは思わずジェイドの後ろから飛び降りた。「わー」いきなりマリアラの体重が消えた弾みでジェイドを乗せたミフは上に流れていく。地面までかなりの距離があったが構ってはいられな...
01仮魔女物語

仮魔女と狩人(6)

*  次に気がつくと、まだ、びいいいいい、という甲高い振動音が聞こえていた。  全身が重く、力が入らない。ただ意外なことに、刺されたわけではないらしい。むき出しの顔と手の甲が冷たく、背中がズキズキするが、出血してるような感じはしない。 「こ...
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仮魔女と狩人(5)

*  ぺんぺん、ぺんぺん。 両頬に鈍い刺激をひっきりなしに受け続け、ジェイドは思わず呻いた。 「い……痛い……」「ごめんなさい」か細い声だった。「でも起きて、お願い、ミフを――わたしの箒、どこにあるの? どこにしまったの、お願い、起きて!」...
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仮魔女と狩人(4)

リンはグールドの足下の、わずかに平らな部分に座り込んだ。 焼け焦げた空間が終わりに近づいている。この先の消失を免れた森を抜けたら、もう、雪山が終わってしまう――そう、リンが思ったときだった。  頭上を、何か巨大なものが行きすぎた。  グール...
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仮魔女と狩人(3)

「えっ」『乗り物を隠してたんだ、狩人がそっちに向かってる! 逃げろ! フィがすぐ――』  その声に被さるように、びいいいいいいいい、という奇妙な振動音が聞こえてくるのにリンは気づいた。  無線機の向こうからではなく、右前方からだ。森の木々を...
01仮魔女物語

仮魔女と狩人(2)

沈黙が落ちた。マリアラが左手で、毛布をかき寄せた。身震いをして、痛んだのだろう、顔を歪めた。リンは再びしゃがみ込み、マリアラの背を撫でた。そして気づいた。マリアラの周りの温かな空気が消えてしまっている。 ということはつまり、温めていたのはジ...
01仮魔女物語

第四章 仮魔女と狩人(1)

リンは上空にいた。ダスティンの箒が、リンを乗せたまま降ろしてくれなかったからだ。  リンからは魔物がマリアラを食べようとしていたようにしか見えなかった、だからダスティンの行動に文句を言う気はなかったが、魔物が動かなくなったのにリンを降ろして...
01仮魔女物語

仮魔女と魔物(6)

*  魔物が倒れた地響きで、我に返った。 魔物は少し離れた場所にいた。グールドが落ちれば魔物は温泉街へ向かうのをやめるのではないかと思ったのは正解だったらしい。が、喜ぶ暇はなかった。グールドは既に立ち上がっていて、マリアラはまだ保護膜に包ま...
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仮魔女と魔物(5)

ガストンに押されるように詰所を出ると、新たなマヌエルが飛んで来ているのが見えた。ジェイド、という名らしいマヌエルが呻く。 「……なんであっちかな」  小さな独り言だったので、ガストンには聞こえなかったようだった。大きく手を振ってマヌエルに合...
01仮魔女物語

仮魔女と魔物(4)

*  リン=アリエノールはジリジリしていた。 ミフはリンをここに投げ出すように下ろすや『通報お願い!』叫んで飛んで行ってしまった。その後マリアラがどうなったのか全くわからない。だからリンはジリジリしている。何しろ温泉街詰所の保護局員が、リン...
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